仮想通貨AMB アンブロサスのセンサー技術開発状況

Ambrosusイノベーション研究所(通称イノラボ)はステファン・メイヤー博士により設立、先導されていますが、過去数ヶ月でとても素晴らしい成長をみせています。これまでに起こったことや今後イノラボに何が起こるのかについての内面を見るため、ステファン・メイヤー博士が私たちのインタビューに応じてくれました。議論された話題は、Ambrosusの成長、イノベーション研究所での最近の開発、そしてモノのインターネット(IoT)がブロックチェーン技術と合わさったときの未来的な視点についての彼の見解についてです。

まず背景として、ステファン・メイヤー博士はAmbrosusの最高技術責任者(CTO)であり、サプライチェーンの問題に対するカスタムメイドされたソリューションのデザインを専門とする、Ambrosusのイノベーション研究所を担当しています。Ambrosusを共同設立する前、ステファンはネスレ(Nestlé)やMHM Micro-techniqueにおいて研究開発プロジェクトを率いていました。彼はスイス連邦工科大学チューリッヒ校(EPFL)の総合食品栄養センターにおける最高業務責任者(取締役)でもありました。彼はリーズ大学で食品科学の博士号(食品産業における超音波の応用)を、ローザンヌ大学で地球化学の修士号を、HEIG Applied大学で工学(エンジニアリング)の学士号を持っています。 彼は過去に2つのテクノロジー・スタートアップ・プロジェクトを作って成功させ、Maersk(海運コングロマリット、マースク)とGMに売却しました。

アンブロサスの最高技術責任者、ステファン・メイヤー博士

インタビュアー:
私たちのコミュニティの多くの人が知っているように、あなたは単に責任があるというだけではなく、同時に技術専門知識を要求される数多くの立場を維持してきました。これにはネスレにおける研究開発プロジェクトのリーダーや、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(EPFL)の総合食品栄養センターにおける最高業務責任者(取締役)が含まれています。あなたは食品のエキスパートと言って間違いないでしょう。このインタビューの導入として、食品科学におけるあなたの背景と、もっと具体的に言うとあなたの仕事内容の焦点をお聞かせ頂けますでしょうか。

ステファン博士:
まず最初にそして最も重要なことに、私は自分のことを言うなれば起業家でありイノベーター(革新者)だと思っています。私はかなり長い時間を、たくさんの異なる分野同士がまじわる交差点で過ごしてきました。それらの分野とは学問、研究、ビジネス、技術革新(イノベーション)です。あなたが言ったように、私はネスレにおいて「品質管理者」として働き、知能を持ったパッケージ(インテリジェント・パッケージング)や、得にオンラインの品質テストに焦点をあててきました。

ネスレがどのように運営するかについてや食品のパッケージングにおける大きな問題点のいくつかについて分かった後、自分でスタートアップを立ち上げることにしました。それはセンサー・デバイスの小型化を専門としたスタートアップでした。その時はまだ、第四次産業革命やIoT(モノのインターネット)がやっと幼児期を通過している段階でした。

インタビュアー:
スイス連邦工科大学チューリッヒ校(EPFL)の総合食品栄養センターに関してですが、あなたはそこでどんな仕事をしていたのですか?

ステファン博士:
自分のスタートアップの売却に成功した後、私はスイス連邦工科大学チューリッヒ校(EPFL)に加わり、この大学において総合食品栄養センターを立ち上げ、成長させてきました。当時は食品科学学科さえなかったものですから、これはとても新しいことでした。このセンターの目標は、食品科学においては能力を持っていない教授たちを、未来のもっとも厄介な食品問題のいくつかに対して取り組むことが出来るようにすることでした。

ですから、このセンターは食品関連の問題をかかえながらも自社では(すなわち彼らのスタッフでは)解決できない多くの会社を非常に惹きつけました。というのも彼らには化学者しかおらず、未来の食品技術における課題を解決するための技術者、センサーの専門家、数学者がいなかったからです。これらの会社は未来の課題に対するより深い洞察を求めていました。そういった課題は、彼らの会社の食品部門まわりに影響をあたえ始めたばかりでした。

センターを設立してからの私の役割は、新しいタイプの会話を促進することに尽きました。私は学問世界やビジネスにおいて様々なバックグラウンドを持ち、食品科学に関してはほとんど経験がない人たちをつなぎ合わせることに集中しました。そうすれば実践的で効率的なソリューションについて、多くの学問領域にわたる観点から議論することができますから。

インタビュアー:
その当時、あなたがAmbrosusを共同設立する決定に影響を与えた、または特に目立つような問題点はありましたか?

ステファン博士:
私たちが議論した全ての問題の中で、持続的なバリューチェーンに関係する、継続的にわきあがってくる問題がありました。それはどうやって食品生産がクリーンで効率的かつ環境に優しいやり方で行われるか、そしてそのやり方が消費者の期待と選択に一致するかという疑問でした。持続可能性もまた重要な優先事項でした。特に私たちがどうやって何度も繰り返し行えるリバースエンジニアリング・プロセスをデザイン出来るかということに関してです。

要するに、これは特定の商品の状態を監視するために、初めて分析デバイスやセンサーをデジタルの世界につなげることでした。当時、多くの大学における技術部門は、まだこの種のことに興味をもっていませんでした。そのため私はこのとても重要な議論をはじめるため、このセンサー・IT問題において適した人材を集めはじめたのです。この問題が、私が今いる場所 – つまりAmbrosusに私を導きました。

インタビュアー:
あなたとエンジェル(AmbrosusのCEO)はどのようにしてAmbrosusを設立することを決めたのですか?このプロジェクトの裏側にあるストーリーはどのようなものでしょうか。

ステファン博士:
はい、ぜひ話させてください。食品センターでは、多くの異なるヨーロッパ系のプロジェクトに参加することがよくあります。とある「Horizon 2020」というプロジェクトがあったのですが、それはイノベーションとテクノロジーに焦点を置くEITと呼ばれる追加的な部門を持っていました。これはある種のコンペ会議のようなもので、2年ごとに多くのテーマに関するコンペを実施しています。通常30の産業と30の大学が参加します。分かりやすくするために言っておくと、私のプロジェクトは栄養コンペと食品コンペでそれぞれ勝ちました。そして私たちはブタペストでの彼らの2年ごとのミーティングにおいてEITを代表し、そのときにエンジェルと会ったのです。

当時、エンジェルは自分のVCファンド(ベンチャー・キャピタル)を持っていて、そこで革新的なスタートアップを発表していました。私はなにかのソーシャルイベントを通して偶然彼と出会い、それぞれの興味について議論を始めました。あっという間に分かったのですが、私たちはとてもよく似た関心とゴールをお互いに持っていました。その最初の出会いの後、確かエンジェルが連絡をくれてスイスにやって来ました。そこで私たちは何をしたいのか、より具体的に話し合ったのです。最初の最初から、彼はとても活動的で先を見据えていることが分かりました。そして結局、私たちは前に進んでIoT、IoTまわりのセキュリティ、持続可能なバリューチェーンに関連する自分たちのプロジェクトを立ち上げることにしたのです。もちろん、これが信用されるためにはブロックチェーンが必要でした。

それから、問題は単に最初にターゲットにしたい産業をどれにするかでした。IoTは多くの産業にインパクトを与えることでき、多くの部門にまたがってデジタルの変化を伴うからです。さらなる調査の後、私たちは消費者向け商品に集中することに決め、食品と薬品からスタートすることにしました。今現在、私たちは他の産業に対しても拡大している段階にあります。

インタビュアー:
公式サイトにある通り、あなたの公式な役割は「最高技術責任者(CTO)」です。あなたが話題にのぼるとき、頻繁にイノベーション研究所(イノラボ)のトップであることを言及されます。簡単に言って、あなたとあなたのチームは一体何に取り組んでいるのでしょうか。またイノラボがAmbrosusと他のサプライチェーン関連プロジェクトとを分ける点はなんでしょうか。

ステファン博士:
はい、Ambrosusを始めたとき、私が本当に集中したかったのは科学的革新(イノベーション)と新技術の開発で、ビジネスサイドのことに限定されたものではありませんでした。私たちがAmbrosusのために計画したことの核となる部品のひとつは、私はこう呼ぶのが好きなのですが、「イノベーション研究所」もしくは短く「イノラボ」でした。これは私たちの研究開発(R&D)施設で、Ambrosusの長期的ビジョンを遂行することを担当しています。これらのイノベーションにより、私たちが開発したツールで実際の概念実証(PoC)を実行したり、私たちのアプリケーション技術者や設計者が顧客企業といっしょに毎日使う、ツールや商品のカタログをしょっちゅうアップデートしたりできます。究極的には、スマート・デバイスやスマート・パッケージングまわりの最先端の技術にレバレッジをかけて、そのようなスマート・デバイスをAmbrosusネットワーク(AMB-NET)につなげるための効率的で革新的な方法を見つけています。

イノラボでの開発をガイドするビジョンに関しては、2つのレイヤー(層)があります。まず最初に、技術の裏にある根本的なゴールは、今のサプライチェーンの形を変える助けとなることによって正直でフェアなビジネスをサポートすることです。これが意味するのは、大抵の場合、今日のグローバル・サプライチェーンは非常に複雑で不透明なものであるということです。記録は通常のばあい手書きの書類で残され、そして全体としてプロセス全般が組織化と効率性を欠いています。イノラボで、私は未来の安全なサプライチェーンを思い描いています。そこでは会社はより効率的で安全なデータの流れを持ち、犯罪は最小限におさえられ、消費者は彼らが持つにふさわしい品質保証を手にするのです。というわけで、そのパラダイムを変えることが私たちの主要なゴールです。

2つ目に、全体論的で前代未聞のやり方においてグローバル・サプライチェーンを作り変えるのを望む限り、イノラボはユニークです。これが何を意味するかというと、このラボで私たちはソリューションのデザインにおける未来に対して10年を考えています。これが私たちが他の誰とも違うところです。受動的なモノ(オブジェクト)を「スマートな」モノに変えてサプライチェーンで利用可能にするだけでなく、これらのスマートなモノを現在存在する以上のものにデザインしているのです。私たちは自分たちのスマートプロダクトをより賢くしたいですし、それらが特定の商品において感知できる範囲やグレードを拡大していきたい訳です。また私たちのスマート・ゲートウェイやコンテナ(容器)を、今現在IoT技術において存在するものより、もっと完全で改ざん防止のものにしたいのです。

究極的には、私たちはスマートコントラクト上で稼働することが出来る、完全な自治のサプライチェーンにセキュアで効率的、安全にフィットする、完全自治のスマートシステムをデザインしたいのです。これが、私が今後10-15年でAmbrosusのイノベーション研究所を通して生活にもたらそうと計画しているビジョンです。それはステップバイステップのプロセスになるでしょう。しかし企業が彼らのサプライチェーンをデジタル化し続けるので、そのような最先端のすでに時代を先取りしたソリューションが、成功するサプライチェーンマネジメントにとってより最適になっていくと確信しています。

インタビュアー:
今現在、あなたが提案するビジョンを達成することを確実にするために、イノラボが作っているものはどんな種類のものですか?

ステファン博士:
はい、イノラボで我々が今やっていることに話を戻しましょう。はっきり言っておくべきなのは、私たちはただ「センサー」の生産と創造をするよりも、もっとずっと多くのことをやっています。簡単に言うと、私たちが焦点を置いているのはサプライチェーンマネジメントとモノのインターネット(IoT)の接続可能性です。私たちは自身の「スマートな」イノベーションを、毎日何十億トンもの商品を届けるために使われるサプライチェーン輸送ユニットにどうやって実装するかにおいて、強力で認知された専門知識を作り上げたいと思っています。

私がここに集めたチームは、今すでに何が存在するのか、どうやってそれを改善するのか、それをどうやって私たちの顧客企業のニーズに当てはめるのか、次のレベルの統合性、知能、自治にデバイスをアップグレードするために、どういったさらなる開発が必要なのかを見ています。私たちはまた、スマート・デバイスを一から創造・革新し、それからそのデバイスが特定の問題にカスタマイズされることが出来るために必要な、あらゆるプロプライエタリ(独占的)な研究を実践しています。

インタビュアー:
では、センサーがあなたがイノラボで行っている開発の種類のほんのひとかけらに過ぎないというのであれば、他にどんな種類のプロダクトに集中しているのですか?

ステファン博士:
これらのプロダクトの多くは重要な競争優位でありますので、具体的に話すことは出来ません。しかしながら私が言えることは、私たちの主要なプロダクト・ラインは主に、スマート・デバイス、スマート・ゲートウェイ。スマート・コンテナ(容器)、そしてもちろん、どんな輸送ユニットにも統合性と自治をもたらすことです。スマート・デバイスはタグ、シール、トラッカー、トレーサー、そしてセンサーと、同様に特定のデータのためのより分析的なツールに関連しています。スマート・コンテナは、輸送プロダクトのスマートな方法、つまりスマート・パッケージングや保管と関係があります。

それから最後に、スマート・ゲートウェイはこういった様々なプロダクトを安全なやり方でAmbrosusネットワーク(AMB-NET)につなげるために使われます。しかし、私たちが開発しているスマート・ゲートウェイはアルゴリズムを走らせることも出来ますし、決定権の自治を得ることも出来ます。そして最も重要なことに、それらは人工知能ネットワークに統合され、そこでは特別なIoTコミュニケーション・プロトコルを通じてお互いにコミュニケーションを取ることが出来るのです。このプロトコルで、私たちのゲートウェイは実体のあるサプライチェーンのために、仮想的にブロックチェーンが出来るのと同じように、信用の「サイドチェーン」を形成することが出来ます。そのソリューションは特に、将来のブログ記事でより深く説明するものになりますが、重要なポイントは、イノラボでの私たちのプロダクト・ソリューションは完全にエンドツーエンドであるということです。私たちはデータを安全にしますが、同様にそのデータを記録するオブジェクト(モノ)も安全にするのです。

インタビュアー:
あなたとあなたのチームはどのようにしてこれらの異なるプロダクトを開発しているのでしょうか?プロダクトを開発する際に、心に留めている主な考えはどういったものですか?

ステファン博士:
私は、私たちがやっていることの革新的な側面を強調するのが本当に好きです。ですから、私たちのプロダクト・デザインの多くは、市場を見て既に存在するものを偵察することから始まります。それから、私たちは自身が取り組んでいる特定の産業について見てみて、完全に新しいソリューションの余地があるかを見るのです。

いったん明確なプロダクトと問題が頭に入ると、違うデザインを設定し、テストをし始めます。この段階においては、私たちは本当に徹底的である必要があり、正しいデータが記録されることだけでなく、それが安全にAmbrosusブロックチェーンと素早くコミュニケーションを取れるやり方で記録されることを確実にしなければなりません。そのためかなり多くの異なった考慮を心に留めておく必要があるのです。

いったん見込みのあるソリューションもしくは市場のニーズに沿うプロダクトが出来ると、私たちは通常イノラボのパートナーの1つに連絡し、その特定のプロダクトの製造と生産を助けてもらいます。今後数週間の内により深いコミュニケーションを行って、これらのパートナーが誰であるのか、そしてなぜ私たちが特定の企業に我々が創造したものを生産する助けとなってもらうのかを見ていきます。またどのようにしてラボで作ったプロトタイプ(試作品)を完全に産業化されたプロダクトに移すのかも説明します。ここで言う産業化されたプロダクトとは、サプライチェーンの規制のために保証、テスト、統合され、そして最終的に顧客企業のニーズに対して承認されたものを指します。

インタビュアー:
このタイプのソリューションの範囲に関してですが、これは実質的にどんな種類のサプライチェーン・ソリューションに対しても適用出来るように見えます。それについてはどうですか?

ステファン博士:
それは正しいです。しかしながら、私たちは垂直方向と水平方向の開発について区別するべきです。何が言いたいかというと、私たちは水平方向にものを見ることが出来ます。つまり、私たちがソリューションを作ることが出来る異なる産業すべてを遠く広く見通して、ということです。もしくは、垂直に見ることもできます。つまり、特定の産業がどうやって、より洗練された深いソリューションから恩恵を得ることが出来るのかについて、とても近くで深く見るということです。

多くの産業が、追跡、トレース、物流管理から恩恵を得ることができると思います。この意味で、私たちはAmbrosusをあらゆる種類のサプライチェーンに適用することが出来るでしょう。コスメティックス、衣服、贅沢品、などでもです。しかし一方で、とても限定された特定の産業には特定のプロダクトを作る必要があるのです。そしてこのことは、考えて創造するには時間がかかることがよくあります。例えば、食品産業において重大な偽造を避けることにおいては、データを記録するための追加のスマート・オブジェクトが必要になることがしょっちゅうあります。そのようなオブジェクトは、自然の性質やテストをより人工的な部品に加えるというものを含みます。こういった追加的な機能は、成分的、または構成的な性質やある特定の食品を検出するために、究極的には調整することが可能です。薬品業界に対してもこれは同じことですが、こちらの場合は輸送状態における安全性やリアルタイムの監視のためのスマート・コンテナで行われるでしょう。

ですから全体として、イノラボでは、サプライチェーンの持続可能性に関して懸念を持っているあらゆる産業のためにソリューションを作る準備が出来ています。それが偽造であろうと、より効率的な物流であろうと、よりスマートな在庫管理であろうとです。しかしながら、いくつかの産業は他の産業よりも洗練されたソリューションを必要とするでしょう。

もっと言えば、私は科学者としてこのこと(ある産業がより洗練されたソリューションを必要とするということ)を保証出来ます。というのも、GS1標準に従ってパッケージされた全ての粘弾性を持つ消費者製品に関しては、私はこれを「ソフト・ソリッドである」と呼んでいますが、私たちは単純に適したタグ付けシステムとソリューションを見つけなければなりません。これはまた、イノラボチームが多くの専門分野にわたるものである理由でもあります。私たちの中には物質材料系学者、電気技術者、生命科学者、さらにはアプリケーション技術者もいるのです。

インタビュアー:
今のスマート・デバイス分野においてあなたが独特であると思う特定のソリューションで、特許を取ったものはありますか?

ステファン博士
はい、既に特許を取ったものもありますし、今まさに取得プロセスの段階にあるものもあります。まだ秘密事項なのでこれ以上言えませんが、そのうち皆さんに向けて我々の特許についての個別のブログ記事をリリースするつもりです。それによって私たちが開発してきたイノベーションの具体例を理解してもらえるでしょう。

インタビュアー:
イノラボにおけるあなたの平均的な日常の過ごし方についてお聞かせ頂けますか?どのくらいの頻度でプロダクトのデザインやテストを行っているのか、またどのくらいの頻度で事業開発者(Biz-Dev)たちと一緒に世界を回っているのでしょうか。

ステファン博士:
プロジェクトの開発が進行するにつれて、私は研究所においてより一層特定のイノベーションや開発に集中するようになっています。仲間たちに応用(アプリケーション)の責任を与えて、です。なので、私はいまだに特定のプロジェクトの事業開発に関わっていて、多くの場合さまざまな事業開発者たちが研究所にやってきたり私に連絡をくれたりしてソリューションがどのように働くかについての議論をしています。通常、私は週に一回呼ばれて様々な顧客企業とのプロジェクトについてや、それらがどのように進行しているかの点検をしています。

私たちの日常についてですが、私の場合かなり様々なことをやっていて、研究所の計画や管理をすることや、調査するべき新しいエリアや物事について戦略を練ったり考えたりすること、世界中の様々なイベントに出席して顧客企業や製造パートナーとどうやって一緒に取り組むか、またはどうやって特定のソリューションを開発するかを議論したり等をしています。イノラボにいる時は、エンジニアのリーダーと将来の商品開発について議論したり、「ソリューション設計者」と一緒に、彼らが何に取り組むかについて連携しています。

強調しておくべきことは、私たちが研究所で作っているイノベーションや開発を効率的に伝えることに対して、気をつけなければいけないことがたくさんあるということです。それらはとても大きな競争優位性であるために、何を開発中のままにしておくのか、そして顧客企業に宣伝するために、どこまでの情報を事業開発者が使って良いのかを常に調整する必要があるのです。

インタビュアー:
研究所において、あなたが持っている心構えや指導哲学はありますか?

ステファン博士:
はい。そしてこれは本当に心に留めておくべきことです。今現在、私たちは全ての産業一つ一つにおける、全ての個々のサプライチェーン向けの完璧なソリューションを作ろうとはしていません。私たちは何が存在するのかを見て、それを改善することで偽造をより難しく、追跡をより簡単に、そして管理をより効率的にすることに集中しています。ですから私たちのフォーカスは道理にかなうプロダクトを作ることにあるのです。それは現在の企業にとって実践的な効果を持ち得るプロダクトであり、利用可能な商品を劇的に改善することも出来るようなプロダクトです。言いかえると、私たちは顧客企業の問題点を聞いて集め、そして迅速なソリューションと同時に長期的なソリューションも提案しているのです。

よくあることですが ー いやほぼ常にですが、研究所のイノベーションの部分について、現在使われている、または市場に既に存在するほとんどのイノベーションよりも、私たちの開発はずっと先に進んでいます。これが意味することは、多くの場合私たちはとても洗練されている次のレベルのソリューションを持っていますが、企業はまだそれらについて考えることすらしていません。産業4.0、そして第四次産業革命は未だにとても新しいことですが、そのためIoTやブロックチェーンがもたらす新たな優位性や利点に企業が慣れるには時間がかかるでしょう。一方で、それでもAmbrosusは企業が抱える現時点での問題点を全て解決することが出来ます。例えばエンドツーエンドの追跡能力、全当事者の物流、最適化されたデータ管理などです。残りの部分は時間がたてばやって来るでしょう。

これも言っておくべきなのですが、我々のアプローチは顧客企業から大変評価されています。というのも彼らはAmbrosusのことを、彼らのサプライチェーンが直面している長期的な問題点を明確に理解している、長期的パートナーとして見てくれているからです。私たちが彼らの問題に対してとても広範囲で多角的な観点を提供するにつれ、私たちと一緒に取り組むことに対して彼らはより一層満足してくれています。

インタビュアー:
未来の話について、研究所をどこに連れていきたいのか、またスマート・デバイスやコンテナの開発においてあなたが最も重要であると強調したい研究エリアは何でしょうか。

ステファン博士:
はい、とても簡潔にですが、ほとんどのプロダクトを改善し、それらをサプライチェーンにおいて使われる次世代の機器にフィットさせることが出来ると私たちが信じている4つの主要なエリアをご説明します。

第一に、セキュリティです。私たちはどうやってスマート・オブジェクトをより改ざん防止で安全なものにするかに集中する必要があります。特に偽造やサイバーセキュリティ攻撃に対してです。センサーに関連しては(これはスマート・デバイスの一種ですが)、これはデータを暗号化して統合性を付加したり、他のセンサーのパフォーマンスを検証することも出来るでしょう。

2番目は自律性(自治)です。私たちはスマートデバイスが自身とその周邊にある近いデバイスを取り締まる能力を向上させたいのです。これは*エッジコンピューティングとAIに関連が深く、イノラボにおいて私たちはかなり成功すると期待している特に先進的なイノベーションをいくつか持っています。特にこのエリアにおいて、私たちは様々な産業のためにカスタマイズされた設計仕様を提案することが出来る元になる知識ベースを構築しています。

*エッジコンピューティングとは・・・コンピューターネットワーク上で、利用者に近い場所に多数のサーバーを配置し、負荷の分散と通信の低遅延化を図ること(コトバンクより)

三番目はネットワーク化です。これは私たちがスマートデバイスをお互いに、そして同様に中心ゲートウェイとコミュニケーションを取り合ったり検知するための方法に関してもっと「スマート」なデバイスを作りたいと思っている限り、IoTの課題の中心にあります。ここに関して私たちはサイドチェーンの分野に取り組んでいて、これはとても競争優位性を持つ話題であり、現実世界の問題を解決する数多くの機会を切り開くものでもあります。

4つめはIoTシステムが輸送ユニットに統合されるための能力を向上するあらゆるソリューションです。このエリアにおける主なトレンドはプリンティング(印刷)システムです。これは商品にデバイスを取り付けることをもっと便利に、そして大幅に環境に優しくすることです。

もっと具体的には、ハイテクなプリンティング・システムは私たちが商品をタグ付けするやり方を再構築してくれます。効率的なプリンティング技術で、「1つのユニット」は、「1つの商品プラス1つのパッケージ」から、取り外せないようにタグがくっついたただの1つの商品に変化することが出来ます。この方法によって、もしタグやパッケージや商品が改ざんされたり不正に手を加えられたりした場合には、ユニットが反応します。もっと現実的な例で言うと、オリーブオイルやワインのボトルにくっついたRFIDタグを想像してください。それ自体は素晴らしい追跡ソリューションです。しかし実際にはそのタグはパッケージにしか付いていないのであって、商品の中にはありません。このことから、ハッカーがタグを取り除いたり何らかのやり方で不正を働くこと(コルクに針を刺したりして)によってボトルを偽造するのはとても簡単なのです。そのため、この種類のソリューションはよりセキュリティを必要とします。ここで、もし私たちがコルクがクリーンで開けられていないことを保証するために、カップに封をして親水コロイドをボトルの上部に適用したらと考えましょう。その場合私たちはタグをボトルの内側ケースの内部に付けることが出来ます。そしてこのやり方で、タグはそのボトルと同時に、オリーブオイルまたはワインとも紐付けられるのです。そのようなシナリオにおいては、見つからずにコルクに針を刺して商品を抜き出すことは誰にも出来ません。

全体的には、どんな受動的デバイスやコンテナをとっても、もしそれを私たちがこれら4つのエリアにまたがって改善させることが出来るなら、そのようなデバイスはスマートになるだけでなく、本当に革新的で革命的になり、そしてまた現在サプライチェーンが管理されている方法を事実上崩壊させるものになるでしょう。

インタビュアー:
では最後の質問です。あなたは産業4.0について言及しました。そして第四次産業革命の始まりに照らしてこれらのプロダクトを作るということにも言及しました。データや人工知能がモノのインターネット(IoT)の周りに集まっているデジタル化の時代において、このような世界で何を食の未来として見ていますか?

ステファン博士:
このエリアにおいて私が見ている、より全体論的で一般的な観点をお話しますね。将来、私たちは何を食べるか、またどんな薬が存在するかについて、より多くの個人向けカスタマイズ(パーソナライゼーション)を持つことになるでしょう。未来の医者は化学ベースではなく、むしろ生物学ベースになるでしょう。病気の患者を助けるために、薬やワクチンを使用の2時間前に作らなければならなくなります。同時に、ホームケアや個人の栄養に対して消費者はより集中するようになります。

そのような現実に照らして、より「オンデマンド」で「個人化」されたバリューチェーンに応えるため、配達システムの「ラストマイル」に対してもっと修正が必要になり、サプライチェーンの断片化や局地化の問題がどんどん明白になっていくと思います。全体として、サプライチェーンは劇的な変更を通過なければならず、そこでは直線的なサプライチェーンがもっとネットワーク化されて偽造や悪い商品のような危険を招きやすくなるでしょう。

あなたがニューヨークのフラット(アパート)に住んでいると想像してください。あなたは働いていて、そのため毎日を忙しく過ごしています。そこに住む他の何百万人の人たちも同様です。将来私たちはロボットに食事を作らせたり、もしくは私が「路上の工場」として考えているやり方で食事が準備されるようになる可能性が高いです。これらは大規模な製造工場とレストランが混ざったショップ、お店です。基本的な考えは、人々がそこにやって来て、非常に多様なものの中から食べたいものを選ぶという形です。それから彼らはそれを素早く取って、どこかに持っていくでしょう。このような現実において、世界中からたくさんの様々な材料がやって来て、全てがこの「路上の工場」に集約するのです。結果として、高度な個人化とともにサプライチェーンはもっとずっと断片化されたものになるでしょう。そして将来、食品がドローンで届けられるのか人の手で届けられるのかに関わらず、食品チェーンのラストマイルの収束は避けられないでしょう。

なのでこれが起こる時、そして素早い食品の「レストラン・倉庫」がある時、結果として起こる主要な出来事は何でしょうか?世界中から非常にたくさんの様々な商品がやって来ます。常にです。偽物の商品が入ってくるのを想像してください。この時点では、破壊すべきブランドはありません。そのため自身で問題を懸念するビッグ・プレイヤーも存在しません。この意味で、管理化に置かれたもっと透明なサプライチェーンが、絶対的に必要不可欠なものになるでしょう。

それが私が将来やって来るのではないかと考えている現実です。そしてそれこそが、Ambrosusがやっていることが未来の中心(バックボーン)、そしてスマート・シティが関わる全ての中心になるものであると私が考えている理由です。

インタビュアーー:
ステファン・メイヤー博士、時間を取って頂いたことと、この素晴らしいインタビューに感謝いたします。

ステファン博士:
ありがとうございます。自分の熱意に関して話すことはいつでも嬉しいことですから。

元記事
In Depth: A Conversation with Dr. Stefan Meyer — Chief Technology Officer.