ソウル、韓国 - 2018年10月10日 - グルーバルに分散したブロックチェーンとIoTプラットフォームのAmbrosus(アンブロサス)は、革新的な食品の追跡可能性(トレーサビリティ)プラグラムにおいて、韓国に本社を置く食品小売のMega Mart(メガマート)との産業的プロジェクトを発表しました。
トレーサビリティとは
ある商品を「生産から消費までの全過程」で特定出来ること。
トレーサビリティとは?食品の事例で見るメリット・デメリット
Ambrosusは直接NDS(農心データシステム、韓国の巨大食品メーカー農心の子会社)と一緒に、Ambrosusブロックチェーンを通してメガマートの高品質な牛肉の追跡・トレースに取り組みます。
Ambrosusにとって、このイニシアチブはアジアへのグローバルな拡大を進めるためのさらなるステップであり、Ambrosusが持つ、急成長しているブロックチェーン・ネットワークであるAMB-NETへの支持が大きくなっていることを示すものでもあります。
一方で、メガマートはAmbrosusネットワーク(AMB-NET)を利用して、革命的な牛肉の追跡可能性(トレーサビリティ)モデルを先導します。それによって、企業のパートナーや消費者たちは牛肉1切れ1切れについての、産地から消費者の手に渡るまでに辿ってきた履歴、輸送の際の状態についての詳細な情報に簡単にアクセス出来るようになります。
両企業は一緒に、歴史的に複雑だったサプライチェーンに対して新しいレイヤーの透明性や品質保証を提供することによって、アジアの牛肉産業に革命を起こします。
Ambrosusは、韓国やアジアの他の地域において、今後もさらなるAMB-NETの使用事例(ユースケース)を探求します。
牛肉サプライチェーンに対するAmbrosusのソリューションを理解する
牛肉サプライチェーンに関して言うと、安全かつ効率的に、育て、屠殺(とさつ)し、準備し、そしてスーパーマーケットに牛肉の切り身を輸送することに関して、数々のリスクが存在します。
より具体的に言えば、牛は屠殺する前に、適切にエサを与え、良い健康状態に保たなくてはなりません。しかし屠殺されてからも、多くの健康チェックや適切なケアが欠かせません。なぜなら、そのプレミアムカットの牛肉が清潔であることや、リコールの原因になるバクテリアやその他の汚染が無いことを確実にするためです。
生産業者への輸送が始まると、最終消費者にとってふさわしい品質を保証するため、牛肉は正しい温度で適切に保管されなければなりません。
Ambrosusにとっては。牛肉サプライチェーンのためのソリューションの構築は、2つの中核となる考えにもとづいています。1つは消費者に販売される牛肉の健康と品質保証。もう1つは消費者が、自分が購入したい特定の牛肉カットについての豊富な情報に簡単にアクセス出来ることです。
ユニークなブロックチェーンとIoTのプラットフォームとして、Ambrosusは全ての利害関係者のために、信用を促進し消費者の満足度を最大化するため、IoTデバイスにレバレッジ(てこの原理)をかけ、また既に設置されている既存のITシステムに接続することによって、2つの考えを効果的に包み込んでいます。
このサプライチェーンは農場で始まります。牛はまず最初に、正しく身分確認され、Ambrosusネットワーク(AMB-NET)にデジタル形式で記録されなければなりません。これは品種、農場ナンバー、肉の質、そして他の政府特有の考慮事項に従って行われます。
こういった詳細情報は、該当する牛のデジタル登録において、「イベント」とみなされます。
牛が最終消費者のための準備段階に入ると、次に行われるのは加工工場への輸送です。そこで牛は屠殺されます。
サプライチェーンのこの段階では、牛肉の品質を守るための適切な健康基準が不可欠です。部位が混ざらないように、一度に1頭の牛のみ加工出来ます。
牛自身のIDだけでなく、金属探知機から、そして加工ルームに配備された温度モニターから集められた情報もまた、セキュリティと肉の加工プロセス全体の質を保証するため、特定のAmbrosusゲートウェイに接続されます。
次に、認定された健康管理のプロフェッショナルが、見事にカットされた肉をパッケージする前に検査します。この健康チェックで承認されると、この最も重要な情報が、該当する特定の肉のカットと共にデジタルに記録され、消費者に届くまでの旅の間、その商品と共にあり続けます。
注意深く生産された牛が大きな欠片にカットされた後、この商品はパッケージされ、完全に熟成されている事を保証するため、温度を感知出来る状態で2、3週間保管されます。
サプライチェーンのこの時点で、温度に関しての繊細な品質保証が不可欠になります。
Ambrosusはカスタムデザインの知覚デバイスを設計出来ますし、もしくは顧客企業が提供する温度モニターも使えます。そのため倉庫までの輸送や、倉庫から最終的に小売店に届くまでの保管トラックにおいて、効率的に牛肉の状態を監視することが出来ます。
該当地域のコンプライアンス(法令遵守)の要求に応じて、Ambrosusは2~3秒ごとに輸送トラックから正確で安全な温度とGPSの読み取り値を送信するため、bluetooth(ブルートゥース)や3Gネットワークの通信能力を活用することが可能です。
Ambrosusのイノベーション研究所で設計される他のソリューションは、より包括的な環境状態の知覚に利用出来ます。しかし、顧客企業の考えが優先して考慮されなければなりません。
とうとう商品が販売の段階まで来ると、該当する製造業者はさらに牛肉をカットして、ラベル付けをしなくてはなりません。それが元々の牛のIDナンバーを示すQRコードとともに、最終消費者に展示されるのです。
これによって、商品をながめている消費者は牛肉のラベルやパッケージにくっついたQRコードをスキャンして、ブロックチェーン上にデジタルに承認された、その牛自身とこれまでの旅の過程についての関連情報の全てにアクセス出来ます。
要するに、Ambrosusのソリューションによって、それを採用した顧客企業は、特別にデザインされたAmbrosusのアプリ(Webとモバイル)を通して、自分たちの顧客たちとやり取りすることが出来るということです。
つまり、牛の産地と旅程、獣医による健康チェック、そしてその他すべての宣伝的な、もしくは消費者のためのキャンペーンを含むことが出来るのです。それらは、潜在顧客がお店に行くたびにアクセス出来ます!
全体的には、Ambrosusが設計したソリューションの一般的な実行可能性という観点から言うと、元々の重要な目標の達成は成功しています。
つまり、Ambrosusが認証したIoTデバイスやゲートウェイ、そして顧客企業やその他すべての規制当局が提供するデバイスを使った、数多くの検査や監視の情報を通して、牛肉製品の品質保証に関する、現時点で最も洗練されたソリューションが達成出来るということです。
牛と、その牛肉カットは、農場からスーパーの棚に届くまでの全体が監視されます。それを購入したがっている消費者は、その旅全体を見ることが出来ます。
消費者の観点から言うと、以前までアクセス出来たよりも多くの情報を、Ambrosusブロックチェーンから取得することが出来ます。エンドツーエンドの追跡可能性(トレーサビリティ)から、健康状態のプロによる承認、そして輸送や加工のコンディションまで、Ambrosusは牛肉のサプライチェーン全体の透明性や安全性を消費者に証明することが出来るのです。
最も重要なのは、利害関係者の全てにとってwin-winのシチュエーションが作られるということです。商品は安全かつデジタルにサプライチェーン全体に渡って輸送されます。企業は該当商品が高品質であることを証明でき、最終消費者は表示された情報を完全に信用することが出来ます。
この重要な提携に関して、AmbrosusのCEOエンジェル・ベルセティは以下のように述べています。
「このNDSとのコラボレーションは私たちにとって、もっとずっと大きな、東アジアへの産業的拡大の始まりに過ぎません。AMB-NETが設計された通りに、プレミアムなブロックチェーンとIoTのプラットフォームとして使われることに喜んでいます。
私たちは牛肉の追跡可能性(トレーサビリティ)のために、消費者中心のアプリケーションを特別に開発しました。それによって得られる情報は、消費者たちがこれまではアクセスすることが出来なかったような、完全に新しい種類の情報です。
このAmbrosusが設計し実装したイノベーションと具体的なソリューションは、私たちのチームが提携するまでに行ってきた、ハードな仕事を誇りに思わせてくれます。そして私たちが追い続ける今後の機会に対する、基準を作るものでもあります。」
NDS(農心データシステム)のCEO、Joong-Won Kim氏は言います。
「このAmbrosusとの戦略的コラボレーションを発表できて嬉しいです。おかげでNDSが技術的ソリューションの最先端に居続けることが出来るのですから。
Ambrosusネットワークによって、NDSは非常に求められてきた透明性とともに、消費者の信用を構築するため、様々な高級牛肉商品の品質や産地を証明することが出来るようになります。
史上初めて、ブロックチェーンを実用的に韓国の食品基準を改善することに使うことが出来ます。特にメガマートの全てのお客様に対してです。将来、この関係をさらに発展させられることを楽しみにしています。」
このAmbrosusの産業的牛肉プロジェクトは、世界で最も素晴らしい牛肉製品のいくつかの、エンドツーエンドな品質と追跡可能性(トレーサビリティ)を巧みに証明する、初めてのソリューションと見ることが出来るでしょう。
将来、Ambrosusは牛肉のトレーサビリティ・ソリューションを拡大し、より多くのソリューションが利用可能になるにつれ、またより多くのデータが必要とされるにつれて、さらに多くのカスタマー・フレンドリーな情報を取り入れるつもりです。
将来の牛肉トレーサビリティ・プロジェクトが含む可能性がある追加的な要素としては(他にもありますが)、該当する牛肉の内部の生物学的構成、その動物に与えられたエサの詳細、該当する農場の環境的持続可能性などがあります。
牛肉サプライチェーンにおける問題に関しては、AMB-NETの簡単に設定出来るという性質によって、Ambrosusはクリエイティブに、企業それぞれの状況に応じたユニークなソリューションで、それらの企業と関わっていくことが出来るのです。
この発表に関して、以下のメディアでも取り上げられています。(英語サイト)
http://www.koreaittimes.com/news/articleView.html?idxno=86454
元記事
Ambrosus and NDS to Provide Beef Traceability for Mega Mart