サプライチェーン

IBMとAmbrosusのサプライチェーン・ソリューション比較

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ブロックチェーンによるサプライチェーンマネジメント - IBMとアンブロサス(仮想通貨AMB)

以下は翻訳記事です。翻訳元の記事へのリンクは最後に記載しています。


以前、Ambrosus(アンブロサス)に焦点を当てて仮想通貨(暗号通貨)界におけるサプライチェーン関連プロジェクトの比較記事を書きました。今回は、簡単にではありますが全体的な視点で、Ambrosusに対してIBMが提案するようなプライベート・ブロックチェーンのソリューションとの比較をしてみたいと思います。ここで比較したいのは以下です。

1) 機能性 - プライベートとパブリックのブロックチェーンの違い
2) 範囲と将来性
3) 費用効率性

比較してみてわかったのは、Ambrosusはその消費者中心の考えと、最小のコストという観点から広い適用可能性を持っていることにより、最も適切なサプライチェーン・ソリューションであるということです。

パブリック VS プライベート

分散化について話すとき、パブリックとプライベートのブロックチェーンの区別について述べることはとても一般的なことです。Ambrosusは分散化されたパブリックなブロックチェーンですが、これが意味するのはAmbrosusネットワーク(AMB-NET、アンブネット)が多様なマスターノードによって運営され、それぞれが異なりつつも不可欠である機能を担当するということです。アポロノードはトランザクション(取引)を承認し、ヘルメスノードはデータをバンドルという単位にパッケージしてネットワークに送信し、アトラスノードはそれらのデータを安全に保管します。企業はAMB-NETにどんな種類のデータを置きたいかを決めることが出来る一方で、ある特定の商品の全てのメタデータは一般に公開され、誰でもAmbrosusエクスプローラーを通して分析することが出来ます。この意味で、AMB-NET自体は特定のだれかによってコントロールされるものではありません。システムにおける信用は、全ての関連するマスターノード運営者たちに効率的に分散されるのです。全ての個人、政府、会社が、AMB-NET上で公開された全ての情報を見ることができます。そしてAMB-NETを使うことを選択した全ての企業は、この透明性に価値を見出し、自身の商品が持つ特性を公開することを望まなければなりません。(Ambrosus Japanによる注記:企業が戦略上公開したくない全ての情報、例えば物流会社に支払う費用などは公開しないことを選べます)

Ambrosusにより運営される分散型パブリック・ブロックチェーンとは反対に、IBMは自身のプライベート・ブロックチェーンによるサービスを提供しています。このブロックチェーンは一般の人がアクセスすることが出来ません。これはIBMのプライバシーの下に置かれ、それを使いたい顧客企業だけが内部的に使うことができます。この意味で、IBMブロックチェーンは単に物流ソリューションでしかありません。あらゆる品質保証や消費者向けの情報は、それらの会社の中に隠されます。システムにおいてデータを管理・承認・生産する者だけが存在し、しかもそれが金銭的利益を目的に行動する限り、そのネットワークは中央集権的なのです。データをチェックしたりネットワーク上に置いたりすることに責任を持つ第三者は存在しません。究極的には、ブロックチェーンが提供する誰もが望んだ信用というものは、自己に動機を持つ企業のグループによって保持・運営される改善された物流管理システムの使用を通して、完全に無視されるのです。
IBMがブロックチェーンを運営して、それが信用出来るものですよと言うのは、ツイッターがメディア・プラットフォームを運営して言論の自由がありますと言うようなものです。もちろんあなたはそこで話すことが出来ますが、いつでもアカウントやコメントが削除される可能性があるのです。私の視点から言えば、商品の正当性や品質保証という文脈において、これはベストなやり方ではありません。

範囲と将来性

IBMとAmbrosusにおける2つめの根本的な違いは、それぞれのソリューションが持つ範囲です。IBMはブロックチェーンをPaaS(Platform as a Service)として、IBM Cloudを通して提供します。この意味で、IBMのソリューションはエンドツーエンドではありません。Ambrosusが率先するような全体論的なエンドツーエンドのソリューションとは、ブロックチェーン・プラットフォームに関連することだけでなく、ブロックチェーン上にデータを安全に記録するためのハードウェア・センサーやIoTデバイスに関連することに対しても、必要なセキュリティや専門知識を要求するものなのです。

Ambrosusはそのような全体論的ソリューションによって、企業や消費者に対し商品の品質・データ管理を提供するために、自身のイノベーション研究所を創設しています。このイノベーション研究所は、Ambrosusエコシステムにおけるハードウェア関連を担当しています。

このそもそもの違い以上に、Ambrosusは自身の総合的な範囲やリーチを拡大するため、開発者や企業が有効活用できるダイナミックなエコシステムを作っています。Ambrosusエコシステムがもつ分散化という性質と、すでに開発されたAmbrosusネットワークのSDK(ソフトウェア開発キット)により、dApp(分散型アプリケーション)の開発者にとって、新しい業界のための新しいソリューションを開発する事がかなり簡単になっています。アプリ開発に必要な全てのデータはすでにAMB-NETに一般公開されアクセス可能であるために、ゲートキーパーを超える必要がありません。

費用効率性

最後に、コストの効率性に関して言っておくべきことがあります。
Ambrosusはネットワークに保存するデータに対して、1バンドル(Ambrosusが定義したデータの単位)に付き12アメリカドルという価格設定をしています。1つのバンドルには16,000以上のアセットとイベントを保管できます。そのため12ドルを16,000で割ると、1回のセンサー読み取りのコストは0.00075ドルということになります。これは1セント(0.01ドル)で13回のセンサー読み取りが行えるということを意味します。(0.01 ÷ 0.00075 = 13.3)

これとIBMの「Food Trust」ソリューションを比べてみましょう。

IBMのブロックチェーン・サプライチェーン・ソリューションの価格表

まず第一に、そして最も重要なのは、これらの価格はかなり人を勘違いさせるようなものであるという点です。毎月の費用は「starting at(最小で)」と書かれていることに留意すべきです。さらに一番右の列を見ると、トレーニング資料・教材の初期費用として5,000ドルかかります。一方で、(この表には書かれていませんが)「標準サポート」に追加で毎月3,500ドルかかります。もっと言うと、これら全ては単にソフトウェア側での基本的な追跡、リコール機能を提供するに過ぎないのです。これを利用する企業は、自分自身でどんなハードウェア・ソリューションが必要かを見つけ、それに対しても費用を支払わなければなりません。

Ambrosusは追跡のためのソリューションをより安く提供することができます。そしてそれは、単純な追跡だけのものではありません(例えば成分分析など)。彼らはまた、顧客企業に対してAmbrosusが認証した改ざん防止センサーの製造業者を紹介します。

以下はAmbrosusの最新のAMA(Ask Me Anything)においてのCPO(最高製品責任者)、Vlad Trifaの発言です。

質問51: Ambrosusのソリューションは、コスト面においてハイパー・レッジャー・ソリューションと比較してどうですか?
Vlad: 「はい、まず第一にAmbrosusのソリューションでは、大企業のブロックチェーン・ソリューションを使うときに必要となる高価なコンサルタントを雇う必要がありません。我々のものは根本的にオープンソースです。ライセンス費用のようなものも一切ありませんから、もしあなたがAmbrosusを使いたいなら、固定された費用のとても簡単で明確なモデルになります。つまり12ドルのバンドルにつき16,000以上のアセットとイベントを保存でき、それはとてもとてもシンプルな価格モデルです。あなたはバンドルのアップロード費用として毎月数千ドルで数百万のアセットとイベントを保存できて、それ以外に心配すべきことはありません。どんな企業のソリューションもそうだと思いますし、まず間違いなく他のプロジェクトもそうですが、ビジネスの観点からここまで明確に予測できて簡単に理解できる費用モデルは他にありません。」

総合的に、契約というものはとても明確であるべきだと思います。IBMでは、あなたは良く知られた会社が提供するコーポレート・ソフトウェア・ソリューションを得ることが出来ます(それには何らかの意味はあるでしょう)。このブロックチェーンは消費者に「信用」されるものではありませんし、このソリューションは結局は企業の物流システムを中心としたものです。企業は自身でハードウェア・デバイスを見つけなければなりませんし、システム統合のために専門家に対して追加の費用を支払わなければなりません。

Ambrosusの場合、マーケットにおいて最安のソフトウェア・ソリューションと必要なハードウェア・デバイスを得ることが出来ます。ブロックチェーンはパブリックで分散型であり、そのためブランド認知を広げるための、消費者に対するマーケティング・ツールとしても使うことができます。単なる物流のための使用に加えて、です。企業はAmbrosusを使えば基本的な追跡以上のことが出来ます。ハイテクなバイオセンサーにより、Ambrosusは商品の内部の状態、つまり詳細な成分分析も可能にします。

大規模な企業、詐欺がはびこる食品サプライチェーン、そして今ブロックチェーンが加わった時代において、全体としてみんなにとってどちらがベストな選択かを決定するのは難しくないはずです。

元記事
Ambrosus and IBM: Everything you need to know

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