IoTセンサー・インダストリー4.0

事例ごとに見るブロックチェーンとIoTのセキュリティ

更新日:

世界のIoTデバイスの数は、2025年には750億にものぼると言われています。この数は2019年時点のおよそ3倍であり、IoTセンサー、デバイスは私たちの生活にますます身近なものになっていくでしょう。

IoTデバイスの活用において最も重要な事のひとつがセキュリティです。しかしながら、デジタルセキュリティ企業Gemaltoが行った調査によれば、IoTデバイスのセキュリティが破られたことを正確に判定できると答えたIoT企業はたったの48%でした。また、現在ブロックチェーンを使っていないIoT関連企業のうち、91%の企業が将来検討することに興味を示しています。さらに回答した企業の23%が、ブロックチェーンがIoTデバイスにとって理想的なセキュリティを与えると信じています。

ブロックチェーンのセキュリティ

サプライチェーンとサイバーセキュリティ

ではなぜブロックチェーンがIoTデバイスに高いセキュリティを与えることが出来るのでしょうか?

これはブロックチェーンが改ざん不可能な分散型の台帳技術であることに関連しています。従来のデータベースと異なり、多くのノードが同一のデータベースを分散的に保存しているブロックチェーンでは、データの信頼性、安全性に大きな優位性があります。

仮に一つのノードが何らかの理由(例えば天災、停電など)によって稼働を止めたとしても、他のノードが信頼できるデータを保有し続けているのでデータが失われることがありません。

これは改ざん不可能であることと相まって、データのセキュリティにおいて極めて高い安全性を提供します。

IoTとブロックチェーンのセキュリティ|自動車業界の事例

ブロックチェーンの優位性は、一度記録されたデータを半永久的に信頼し続けることが出来る点にあります。これは今後非常に多くのIoTデバイスが統合されていく様々な業界にとって、非常に重要なポイントになるでしょう。

そのような業界の例として、例えば自動車産業があります。IndustryWeekの記事によると、2020年までに2億5千万台の「つながった」車が世界中の道路を走行すると見積もられています。またそれぞれの車には200以上ものセンサーが取り付けられ、道路のコンディション、車自体の情報、またドライバーの傾向や好みといった様々な情報を収集するようになります。

このようなデータにより、例えば渋滞状況を他の車に伝えたり、橋の毀損状態を記録したりすることが可能になります。もしこういったデータの記録先がブロックチェーンのような改ざん不可能で信頼出来るデータベースでなければ、人々の安全を脅かす自体になりかねません

前述の通り、半数近くのIoT企業が自社のIoTデバイスがハッキングされた事を正確に判定することが出来ません。データの送信元であるIoTデバイス自体の安全性も当然重要ですが、少なくともブロックチェーンを使っていればデータベースの信頼性については疑わなくて済みます。

IoTで繋がった自動車

また自動車業界においても食品産業などと同様、商品が消費者に届けられるまでの過程の記録も非常に重要です。このサプライチェーン管理においても、IoTとブロックチェーンは大きな優位性を持っています。

部品の調達から生産工程、輸送といったサプライチェーン上でのイベントをブロックチェーンに(IoTデバイスを通じて、もしくはマニュアル作業で)記録することにより、商品一つ一つについての改ざんされる事のないトレーサビリティが実現できます。

様々なステークホルダーとの情報の共有を容易にするブロックチェーンを使えば、何か問題が起きた時の原因特定を迅速に行えます。

これは自動車業界でも頻繁に起きているリコールの際にも、非常に大きな意味を持つでしょう。ある消費者が所有する車が生産される際、問題の原因となった部品がいつ、どこから調達されたのか、その部品メーカーによりいつ生産されたものなのかを瞬時に確認できる事で、消費者の安心感にも繋がります。逆に、問題となった部品が使われている自動車がいつどこで誰に販売されたかを辿ることで、その所有者に対してすぐにリコールの連絡をすることが出来るでしょう。

IoTとブロックチェーンのセキュリティ|タバコ業界の事例

IoTとブロックチェーンは、タバコ業界にも大きな影響を与えようとしています。

EUでは今後、タバコ商品の箱一つ一つが開封防止のセキュリティ機能を持ち、規制当局や消費者がその信頼性を確認することが出来るようになることが要求されます(EU:タバコのトレーサビリティとセキュリティのためのシステム)。

このトレーサビリティとセキュリティの機能は、紙巻きタバコと手巻きタバコで2019年5月20日までに、他のタバコ商品で2024年5月20日までに実装されなければなりません。ちなみに後者はたいてい中小企業により生産されているため、施行までに余裕を持たせているようです。

このトレーサビリティシステムの目的は以下とされています。

  • 違法なタバコ商品の流通を減らす
  • 違法なタバコ商品の故意に安い供給を減らす
  • 公共の健康、政府の予算、合法な経済活動を守る

そしてこのトレーサビリティシステムで要求されるのは、

  • 全てのタバコ商品のユニットパッケージに、ユニークな識別子が付与されること
  • タバコの取引に関わる関連業者がサプライチェーンにおけるパッケージの移動を記録し、独立したプロバイダに関連情報を送信すること(データ保管契約は委員会によって承認される)
  • データは施行の目的のため、EU諸国の当局や委員会がアクセス出来るようになること

これにより、合法なタバコ商品の移動を追跡可能になり、いつ商品が違法なマーケットに入ったかを当局が特定出来るようになります。

これを実現するのに最も適したソリューションがIoTとブロックチェーンです。

これをAmbrosusのIoT&ブロックチェーンプラットフォーム、AMB-NET(アンブネット)の例で見てみましょう。

まず、タバコのような比較的低価格な商品の一つ一つに識別子を与えて正確に追跡するためには、そのためのIoTタグ自体も低価格で利用出来る必要があります。

この点においてAmbrosusが開発しているLCSタグ(Low Cost Serializationタグ)は、他に類を見ない非常に費用対効果に優れたソリューションです。

パッケージや容器に印刷可能なこのタグは、現在市場で調達可能な同様のソリューション(RFIDなど)に比べて10倍ほどもコストが安く利用可能になります。

またアンテナのみを持ち電子回路やチップなどの部品を持たない設計であるため、最も低コストでありながら最も持続可能なソリューションでもあります。

そしてこのタグはステッカーにも印刷可能です。そしてもしそのステッカーが剥がされれば、タグはデータの送信を止めリーダーがそれを検知します。つまり、商品の不正な開封を防止する機構として組み込むことが可能だということです。これはEUが要求する新たなタバコのトレーサビリティシステムの条件を明確にクリアしています。

このタグは64ビットの情報を含むことが出来るため、1800京(18 x 10^18)ものユニークな識別子を生成できます。これは当然タバコだけでなく、あらゆる産業におけるビジネスのニーズを満たす事が出来る革新的なIoTタグです。

このIoTタグから送信されたデータは、ゲートウェイを通じてAmbrosusのブロックチェーンネットワーク(AMB-NET)に送られます。企業はデータをAMB-NETに送信する際、データ内容を一般公開するかどうかを自由に設定することが出来ます

つまり公開したいデータは「パブリック」、公開したくないデータは「プライベート」、一部の相手のみに公開したい(取引先など)データは「セミプライベート」として設定すれば良いのです。

重要なのは、「プライベート」に設定したデータであってもそのハッシュ値はブロックチェーンに保存されるという点です。これにより仮に一般公開しないデータであっても、ブロックチェーンに保存されたデータが「 変更、改ざんされていない事」を後から証明することが可能です。

このブロックチェーンが持つデータの不変性、透明性は、前述のLCSタグのようなIoTデバイスと組み合わせることでサプライチェーン管理、トレーサビリティ管理の効率性を最大化します。

IoTとブロックチェーンのセキュリティ|高級ブランド品の事例

ブロックチェーンとIoTによる透明で安全なデータ管理が実現されるようになると、消費者は自分が購入する商品の出処や管理状態などを知ることが出来るようになります。

私たちの健康や生活にとって、最も重要な産業として代表的のは食品や薬品でしょう。こういった商品の品質や原材料などを、スマートフォンを通じてパッケージのタグをスキャンすることで簡単に知ることが出来るようになるのです。

AmbrosusとNDS(韓国農心の子会社)が牛肉のトレーサビリティで提携

しかしながら、こういった全ての人にとって最も身近と言える産業以外でも、まだまだブロックチェーンとIoTにより恩恵を受ける業界はたくさんあります。

例えば高級ブランド品です。

OECD(経済協力開発機構)とEUIPO(欧州連合知的財産庁)による2016年のレポートによると、偽造商品の市場規模は4610億ドルにも及ぶそうです。これは2013年の世界全体の取引規模の2.5%に匹敵します。さらに悪いことに、偽造商品の市場は年々拡大を続けています。2008年時点では世界の取引規模の1.9%だったことを考えると、大幅な成長を示しています。

こういった偽造商品によりブランドイメージが傷つき、消費者にとっても安心して商品を購入出来ないことから購入体験の満足度が下がるなど大きな問題となっています。

また偽造品を素人が見分けるのはとても難しく、実際に低品質な偽造品を購入してしまった消費者からすると、そのブランド企業自体が低品質な商品を製造していると勘違いしてしまう事もあります。もちろん中古品市場にとっても大きな問題でしょう。

これを解決するのがブロックチェーンとIoTです。

ブロックチェーンによる正確なサプライチェーン管理と消費者に対しての透明な情報提供が、ブランドのイメージを高く保つのに役立ちます。消費者は本物であることに安心してブランド品を購入でき、健全な市場の形成が期待できます。

Ambrosusが開発しているIoTデバイスを使えば、偽造品でない事を証明可能です。目に見えないスマートインクは偽造のハードルを大きく上げます。不正開封を防止するスマートパッケージで商品の不正な入れ替えを防止することも出来るでしょう。

偽造防止の最新技術。IoTセンサー、シール、タグ、インク、開封検知パッケージ

それだけでなく、タバコのケース同様、商品1つ1つに識別子が付けられサプライチェーン上の全ての過程を正解に記録することが出来るので、何か問題が起きた時にも原因の特定や対処を迅速に行うことが出来ます。

他にもAmbrosusのブロックチェーンネットワーク(AMB-NET)が優れているのは、コストが明確であり格安である点です。

ブロックチェーンにデータを保存するための費用は、1バンドル(データをまとめた単位。最大160MBほど)につき1年間12ドルの固定レートになっています。

このバンドルはアセット(識別可能なあらゆるもの)とイベント(アセットに付随する情報)から成ります。

例えばある高級腕時計を、製造されて販売店に届くまでの全過程を追跡するとしましょう。この腕時計一つ一つがアセットであり、固有のアセットID(識別子)を持ちます。そしてこの腕時計がいつどこに届いたかといった情報がイベントです。

12ドルで作成可能なバンドルには、これらアセットやイベントを最大で16,384個入れることが出来ます。

日用品や食品など、比較的値段が安い商品に関しては多くのアセットやイベントを一つのバンドルにまとめることで費用削減出来ますし、この例のように高級腕時計の場合には、1バンドルで12個の時計の情報を管理すれば非常に分かりやすいでしょう。

つまりこのようにすれば、1個の時計に付随する特定の情報を1ドルで1年間保存できるということです。AMB-NETなら高級腕時計や他のブランド品も含め、それぞれの値段を考えると驚くほど安い費用でブロックチェーンによるサプライチェーン管理が可能です。

IoTはブロックチェーンと組み合わせることで安全なセキュリティが実現できる

AMB-NETブロックチェーンのレイヤー図解

いままで見てきたように、IoTデバイスから送信されるデータをブロックチェーンに保存することで、より安全なデータ管理が実現できます。

AmbrosusのIoTデバイスはそれ自体が独自の安全な暗号技術を用いており、またそれぞれのIoTデバイスから送信されるデータをまとめて分析し、ブロックチェーンに送信するゲートウェイ同士が通信しあいメッシュネットワークを形成出来るなど、非常に高いセキュリティ機能を備えています。

さらにブロックチェーンの改ざん不可能な性質により、今後長期間にわたり企業が信頼して利用l可能なデータ管理基盤として、企業、政府、消費者全てに大きな恩恵をもたらします。

AmbrosusのIoTデバイス、ゲートウェイ、AMB-NETブロックチェーンなどに興味がある方はぜひお問い合わせください。オープンソース開発により、IT企業や開発者の方もAMB-NETをビジネスに利用することが可能です。

 

おすすめ記事

不正な開封を防止するスマートインク技術 1

通常スマートサプライチェーン管理は、追跡機能、最適化されたデータの共有、偽造防止ソリューション、自動支払い処理など、さまざまな機能に関連しています。ブロックチェーンとIoTを追跡と追跡調査の目的で使用 ...

国連に支援されたネットワーク 2

Ambrosusが国連(国際連合)の消費者情報プログラムに参加 食品と薬品サプライチェーンにおける品質保証のためのブロックチェーン・IoTプラットフォームであるAmbrosus(アンブロサス)が、国際 ...

AmbrosusがNDSと提携し、メガマートで販売される牛肉をAMBブロックチェーンで追跡 3

ソウル、韓国 - 2018年10月10日 - グルーバルに分散したブロックチェーンとIoTプラットフォームのAmbrosus(アンブロサス)は、革新的な食品の追跡可能性(トレーサビリティ)プラグラムに ...

ambrosusとマダガスカル産ブルボンのサプライチェーン 4

Ambrosus(アンブロサス)がPremium Goodsと提携し、バニラの品質や産地、流通経路を証明可能に 目次1 バニラのサプライチェーンについて2 ブルボンバニラ企業Premium Googs ...

-IoTセンサー・インダストリー4.0
-

Copyright© Ambrosus Japan - 次世代のサプライチェーン管理(SCM) , 2019 All Rights Reserved.